非常用発電機のバッテリー(蓄電池):点検・交換・メンテナンス完全ガイド
非常用発電機のエンジンを確実に始動させるためには、バッテリーが重要な役割を果たします。
本記事では、バッテリーの役割や、点検方法・メンテナンス方法を詳しく解説し、適切な管理方法をお伝えします。
もくじ
1.非常用発電機のバッテリーとは?役割について
非常用発電機は、災害時や停電時に確実に稼働することが求められる重要な設備です。その心臓部ともいえるのがバッテリーであり、発電機を起動させるための電力供給源となります。バッテリーが正常に機能しないと、発電機は作動せず、非常時の電源確保ができなくなる可能性があります。
バッテリーの主な役割は以下のとおりです。
- 始動電力の供給:非常用発電機は、バッテリーの電力を利用してエンジンを始動します。
定期的な点検とメンテナンスを怠ると、バッテリーの劣化により発電機が始動しないトラブルが発生する可能性があります。そのため、適切な管理が必要です。
2.バッテリーの交換時期
非常用発電機のバッテリーは、定期的に交換することで確実な始動性能を維持できます。一般的な交換目安は以下のとおりです。
- 5~7年ごとに交換(メーカー推奨)
- バッテリーの銘板に交換推奨時期が記載されています
- 電圧低下や液面低下が著しい場合
- 使用環境により劣化が早まる場合は早期交換
バッテリー交換推奨時期の一例

バッテリーの交換時期を見極めるためには、以下の点を定期的に確認することが重要です。
- 電圧測定:バッテリーの電圧(通常12Vまたは24V)を下回っていないか確認。
- 充電状態の確認:充電器による充電が正常に行われているか。
- 外観チェック:バッテリーの膨張や液漏れがないかを点検。
これらのチェックを定期的に行い、異常が見られた場合は早めの交換を検討しましょう。
3.バッテリーのメンテナンス方法・点検方法
非常用発電機のバッテリーを長持ちさせるためには、適切なメンテナンスが不可欠です。以下の点検・メンテナンス方法を実施することで、バッテリーの劣化を防ぐことができます。
〇 定期点検の実施
- 月次点検:電圧・外観チェック、端子の緩み確認。
- 年次点検:起動試験や充電性能、比重や内部抵抗のチェック。
- 異常時の対応:電圧低下や液漏れが見られた場合は交換を検討。

〇 バッテリー端子のチェック
- 端子の腐食防止:接点が酸化しないようグリスを塗布。
- 端子の締め直し:緩みがあると接触不良を起こすため、適正トルクで締め付ける。

〇 適切な充電管理
- 過充電・過放電を防ぐ:バッテリーの寿命を延ばすため、定期的に充電状態を確認。
これらのメンテナンスを行うことで、バッテリーの劣化を最小限に抑え、非常時の確実な稼働を確保できます。
4.バッテリーの交換手順
非常用発電機のバッテリー交換は、安全に配慮しながら適切な手順で行う必要があります。以下の手順を参考にしてください。
4-1. 事前準備
- 交換するバッテリー
- 作業中の感電を防ぐため、保護手袋・ゴーグルを着用。
- 必要な工具(レンチ、ブラシなど)を用意。
4-2.発電機の停止操作
- 発電機が停止していることを確認
- 運転モードを自動→手動(試験)へ切り替え
- 制御電源をオフ
- 各ブレーカー(充電器入力・充電器出力など)オフ

制御電源やブレーカーをOFFにせず作業すると、基板等の故障の原因となる為、確実にOFFにしてください。
4-3. バッテリーの取り外し
- マイナス端子(−)を先に外す:ショートを防ぐため、必ずマイナス端子から取り外す。
- プラス端子(+)を外す:プラス端子を外し、バッテリーを取り出す。


4-4. 新しいバッテリーの取り付け
- 端子を清掃:新しいバッテリーを接続する前に、端子部分・設置場所等を清掃。
- プラス端子(+)を先に接続:逆接続を防ぐため、プラス端子から取り付ける。
- マイナス端子(−)を接続:最後にマイナス端子を取り付け、固定。


4-5. 動作確認
- 各ブレーカーをONに切り替える
- 充電電圧を測定し、適正値であることを確認。
- 発電機の試運転を行い、正常に始動することを確認。
- 異常がないか最終チェックし、交換作業を完了。


5.まとめ
非常用発電機のバッテリーは、停電時に確実に稼働するための重要な要素です。適切な管理を行い、以下のポイントを押さえておくことが大切です。
お気軽にお問い合わせください。
☎ 082-555-7455 / 080-4052-3596
受付時間 10:00-17:00 [ 土・日・祝日除く ]
負荷試験の受付可能エリア(中国・四国・九州)